ボンベイの歴史

ボンベイの歴史は1960年代初頭のアメリカで始まりました。あるブリーダーがアメリカンショートヘアをその原点に戻そうと考え、ブラックショートヘアとセーブルバーミーズを交配したことがきっかけでした。何度かの交配を重ねたのちにたどり着いたのが、ボンベイです。バーミーズと類似点は多いものの、すぐに新種として確立しました。「ジャングルブック」の作者ラドヤード・キップリングがもし存命であれば、自身の作品に登場する黒ヒョウ「バギーラ」にそっくりのこの猫との、都会のジャングルでの生活を楽しんだことでしょう。

ボンベイの外見

ボンベイは、まさに小さな黒ヒョウのような姿をしています。光沢のある漆黒の被毛、たくましい筋肉質の体、明るいゴールドの目をしています。黒ヒョウを含む大型猫は被毛に小さな斑点がある種もいますが、ボンベイの被毛は真っ黒で、品種基準では斑点は認められていません。

ボンベイの大きさ

ボンベイの身体的な発達は比較的ゆっくりです。通常、生後24ヶ月頃に最終的な体の大きさになります。平均的な肩の高さは38~40cmで、成猫のボンベイは、バーミーズと同様に中型の部類に入ります。オスは、メスよりも筋肉質な体つきをしています。

ボンベイの体重

ボンベイのメスは、オスに比べてやや優美な体つきをしています。成長すると体重が5.5kgにもなります。オスはより筋肉質ですが、体重は5.6kg程度で、メスの体重とほぼ変わりません。

ボンベイの被毛

ボンベイは短毛の猫で、みっしりと生えた光沢のある被毛が特徴です。品種基準によると、ボンベイの被毛は全体が真っ黒で、輝きがあるべき、とされています。アンダーコートがほとんどないため、抜け毛の季節でもお手入れは簡単です。

被毛の色

ボンベイの子猫の毛色は兄弟であっても、ブラック、ブルー、チョコレート、ライラックなど様々な色があります。品種基準によると、ボンベイの被毛は頭の先から足の裏まで完全に黒く、違う色の毛がないことが望ましいとされています。まさに漆黒の美を体現しています。

被毛の長さ

まるでリコリスでできたコートを着ているかのようなボンベイ。印象的な漆黒の被毛はとても短く、まるで第二の皮膚のように体に密着し、エナメルのような美しい輝きを放っています。アンダーコートはほとんどありません。

被毛の模様

ボンベイの被毛に白い斑点があるのは珍しく、品種基準では被毛には模様がないことが明確に定められています。兄弟でも、黒一色で模様のない子猫もいます。また、バーミーズのように、メインとなる毛色に陰影や色彩が加わっている場合もありますが、このタイプの子猫はボンベイの繁殖という点では適合していません。

ボンベイの目

ボンベイの目は丸く、大きく開いており、まるで神秘的なヒョウのような鋭いまなざしをしています。鮮やかな目の色は、カラスのように黒い被毛とのコントラストを際立たせます。この輝く稲妻のような目は、見る者を魅了します。ボンベイの目の色は、イエローからカッパーまであり、魅力的な輝きを放ちます。

ボンベイの特徴

ボンベイの特別な魅力の一つは、賢くて知的な性格です。このミニパンサーは好奇心旺盛で、非常に早く学習します。愛情深い性格で、撫でられるのが大好きです。一方で、優れたエンターテイナーでもあるボンベイは、そのサービス精神で大好きな家族や仲間たちを魅了します。彼らの戦術は至ってシンプルで、持ち前の魅力にパワフルな動作を合わせて、上手に相手を遊びに誘い込みます。

ボンベイの特性

ボンベイの特徴は、なんといってもその性格の良さにあります。寛容な性格で、理想的なペットとして、家族の誰とでも仲良く暮らすことができます。

ボンベイの性格

ボンベイはバーミーズと似た性格をしています。社交的なバーミーズと同じように、ボンベイもとても人間好きです。ほぼいつでも遊んでいて、年をとってからも活発です。人懐こい彼らは仲間を必要とし、常に他者との交流を求めています。そのため、ボンベイを長時間家でひとりぼっちにすることは、罰を与えられるのと同じくらい彼らにとっては辛いことです。ボンベイを単独で飼うことは避けた方がいいでしょう。

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ボンベイの価格

信頼できるブリーダーから購入する場合、平均価格は900~1,300ユーロです。価格は血統書の有無、つまり子猫の両親によって決まります。また、ブリーダーが行ったその他の処置によっても価格が決まります。例えば、虫下しやワクチン接種の証明書発行などに費用が掛かります。

ボンベイのブリーディング

1970年、ボンベイはCFA (Cat Fanciers’ Association) によって正式に猫種として認められました。ボンベイは希少な品種の一つであるため、信頼できるブリーダーを見つけるのは必ずしも容易ではありません。ヨーロッパではボンベイ専門のブリーダーが少なく、出会える機会があまりありません。

ボンベイの飼育とケアについて

ボンベイは、猫に配慮された室内で快適に過ごせますが、屋外での活動も大好きです。輝く漆黒の被毛が特徴のボンベイですが、特別なケアは必要ありません。ボンベイにはほとんどアンダーコートがないため、短い被毛のお手入れは比較的簡単で、週に一度のブラッシングで十分です。この時に、たくさん撫でてあげると喜びます。また、時々湿らせた革製の布で被毛を拭き、抜け毛を取り除いてあげましょう。

ボンベイの子猫

ボンベイの子猫は、早く成長することに関して 「天才児」です。ボンベイの成熟は早く、生後12ヶ月になる前に性的に成熟することもあります。しかし、性的に成熟すること以外は、子猫の成長は非常に緩やかです。身体的な面で完全に成熟するまでには、24ヶ月かかります。ボンベイの子猫の被毛には、部分的に陰影がある場合もありますが、大きくなるにつれて陰影はなくなり、徐々に単色になります。

ボンベイにみられる病気

ボンベイの場合、猫にやさしい環境で飼われていれば、特に大きな病気にかかることはないでしょう。しかし時折、親から受け継いだ病気にかかることがあります。例えば、肥大型心筋症(HCM)は心筋(心臓の筋肉)が厚くなる疾患です。HCMは必ずしも猫の活動を制限するものではありませんが、定期的に猫の心臓を検査することが大切です。

ボンベイの寿命

ボンベイの平均寿命は20年と言われています。猫の長生きの秘訣は、持って生まれた健康的な遺伝子に加えてボンベイに適した食事、住居、十分な運動といった生活習慣や環境を整えることが大切です。体力をつけることは長生きにもつながります。